書籍

挫折の完成〜田中ユタカと少年

キュンティアは初めての女として、その両目でみじめな私を捕らえた*1 プロペルティウス第1巻1番1行 * オイディプース王の出生の秘密は、それが明らかになるや彼を再起不能にまで追い込んだ。だが、この事実はまさしく彼が神話時代の英雄であることを証明…

わがヘレネー讃

私はこの論を一方ではヘレネーへの賞讃として、他方では私の手慰みとして書きたいと思ったのである。 (ゴルギアース『ヘレネー讃』より) * LiddellとScottの希英大辞典(ちなみに、このLiddellはあのアリスの父である。)で、Ζωνη(ゾーネー=女性の帯)…

10月4日Tweet「うたをしまったままの玉手箱を開いたら…」ほかへの自註

window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.twitter.com/widgets.js"; fjs.paren…

9月27日Tweet「ただし語学力上の制約があるので…」への自註

Twitterにこもって全然更新してないものだから、どうすっかな〜このブログな〜と思い、世の中にはTweet垂れ流してるだけのブログもあるけど、それはTwilog使ってるからもういいし…とか考えるうちに、とりあえずは補足が必要なTweetに自註を加える場にしよう…

アリスティッポスSOS

共和政末期ローマ政界&文壇の下半身スキャンダルについてレポートを書いていたら、いつの間にか2月になってしまいました。 そんな僕ですが、外を出歩くときにはストイックな文献学者のふりをしているので、電車の中でFXの本とかマンガとか読んでいる俗っぽ…

含羞のハガキ職人

きょう行われた障害競走の特別戦新年1発目「中山新春ジャンプステークス」は、同レースで一昨年、昨年と2年連続3着に入っていたハクサンが、今年は2着に5馬身差をつけて快勝しました。 以下、鞍上・石神騎手のコメント。 出遅れてしまいましたが、じわ…

うつくしくほろびることができるなんて、うそだ。

08年で活動休止したバンド・キンモクセイに『車線変更25時』という歌があって、いきなり「国道16号線」とか「246号」とか言い出すのも彼らが相模原のバンドだからですなあと、町田市民の僕は思うわけですが、さらに「左には潰れたレストラン」、「…

まったく君は取り返しのつかないことをしてくれた

その内容はともかくとして、提出期限までに修論が書けたので、きのうは「第135回農林水産省賞典中山大障害(J・GI)」を現地観戦して大竹柵・大いけ垣の全馬無事飛越に皆で拍手し、熊沢騎手念願の同レース初制覇を祝福してきました。 そして年末恒例の超…

オカルト・ばくおん・いもうと

丸山真男・著『日本の思想』(岩波書店<岩波新書>/1961)を読んでいましたら、「ディス・コミュニケーション」という語の用例をここでも発見してしまいました(http://d.hatena.ne.jp/nise-jukensei/20120425参照)。 マス・コミュニケーションによる…

言いたい事も言いたくないこんな世の中じゃ

きょう行われた「第14回京都ハイジャンプ(J・GII)」(京都競馬場・芝3930m)は、京都巧者テイエムハリアーが1周目ホームストレッチで先頭を奪い、後はグングン引き離していくという予想通りの展開となりまして、今回もこのまま逃げ切りかと思われた…

コミュ力どろぼう

これでも僕は文献学の徒の端くれなので、言葉について何か語るんなら根拠となる用例を1つでも2つでも持ってこいや!と思って暮らしているわけですが、いかんせん専門が外国語、しかも古典語という非日常的なものであるため、普段使っている日本語に対して…

近畿独立U5局制覇の旅その0(予習篇)

いやあ、やっぱ保谷はちと遠かったっす。同じ都内なのに。 さて、3月の初旬に近畿方面へ旅行する計画を立てていまして、まだ本社訪問を果たしていない独立U局残り5つを回りきり、ついでにCRK、OBC、WBSのAMラジオ単営局を3つ回り、どうせなので大阪準キー…

光文社新書3冊一気読み

数年前に話題になっていた光文社新書を3冊一気に読んだので、ちょっとずつ感想を。 しかしあれですね、光文社新書は「教養新書」と呼ぶには教養が足りないけれど、じゃあ中身がないかと言えばそんなことはない。個人的には、後発の新書群のうちS潮新書あた…

『広域圏におけるテレビ・ローカル放送』

日曜日に、障害レースの開幕戦「中山新春ジャンプステークス」(中山競馬場・芝→ダート3200m)がありまして、僕はさっそく今年最初の寄付を済ませてしまいました。 去年は東京HJ、イルミネーションJS、中山大障害と、毎回マジェスティバイオを買わずに負…

北杜夫『ぼくのおじさん』のこと

北杜夫さんが亡くなりました。 僕は『楡家の人びと』も全く読んだことがなく、とてもじゃないけれど北杜夫の良い読者とは言えないのですが、しかし『どくとるマンボウ青春記』がなかったらたぶんこうして文学で大学院に残っていなかっただろうと思えるほど影…

『かもめ』、あるいは喜劇と悲劇の区別について

最近読んだ本ついて、微妙に連関を持たせつつ、1、2冊ずつ書いていこうかと。 第1回目は、チェーホフ・作/浦雅春・訳『かもめ』(岩波書店<岩波文庫>/2010)です。 かもめ (岩波文庫)作者: チェーホフ,浦雅春出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 20…

恋と言葉とオトコの娘

この前に牧歌について書いたときは、夢見られた純朴な恋愛のことにしか触れられなかったわけですが、牧歌をうんだヘレニズム期の文学は、そういう恋愛の描写ばかりしていたわけではありません。むしろ事態は逆で、アルカイック期や古典期と呼ばれる時代に書…

牧歌的な、あまりに牧歌的な

「牧歌的」という言葉を僕は重宝しているのですが、それはこのたった一語が、単に自然がのどかだとか人間が純朴だとかいうだけではなく、そうしたことが夢見られているのだという意味までも含みこんでいるからなのです。 ヘレニズム時代に生まれた牧歌という…

『活用自在 日本の新聞データブック』

ずっと以前に市立図書館で借りたものの、返した後に著者もタイトルも出版社も忘れてしまって、その後探しだすことができなかった本を、先日ようやくブックオフで発見し、購入することができました。 戸田覚・編著『活用自在 日本の新聞データブック』(こう…

『アトランティスのミンダ王女(長すぎるので以下略)』

教育実習が終わり、いきなりまた暇な学生に戻ってしまったことで、やや戸惑っている今日この頃です。 金曜日も、大学に行ってみたのは良いものの、授業出て話を聞いているだけでいまいち退屈。 そんなわけで、色々なことをひとり悶々と思案しながらそのへん…

欧米の文化を研究中…

今年度入った大学院で所属している専攻名が、大体きょうのタイトルみたいな感じなのですよ。 でもね、僕は別に欧米全般のことなんて全然詳しくないっす。ちょっと範囲広すぎやしません? …てなことばかり言っていても仕方がないので、欧米の文化の知識をたと…

プアプア・ヒポクラ・テンブラ

教育実習関連のあれやこれやで忙しく、しばらくお休みしていました。すみません。 今学期の時間割も決まってきたので、それに合わせて来週からは木曜・土曜をレギュラーの更新日にしようかなと思っております。 どうぞよろしく。 さて、本日は最近読んだいく…

『地下鉄のザジ』のエピグラフについて

きょうから通常更新に戻ります。本当は先週の土曜日に書こうと思っていた内容から。 レーモン・クノー・著、生田耕作・訳『地下鉄のザジ』(中央公論新社<中公文庫>/1974)を読みました。 地下鉄のザジ (中公文庫)作者: レーモン・クノー,生田耕作出…

ごほうびとUFO

そういえば、きのう更新したのにすっかりご報告を忘れてしまっていたのですが、おかげさまで大学院に合格することができました。 卒業できるだけの単位は一留の成果でため込めているはずなので、来春からは修士課程の学生ということになると思います。 ご支…

生月島・江の島

(前略)吉本の合理主義とこの農民たちの不条理な合理主義と角力をとらせたらどちらが優勢であるか、私ごとき工作者でも骨身にしみて知っているのだ。おそらくそれは代数と微積分の勝負とでもいったらよいものである。庶民意識の中間性を攻撃するというのな…

『グノーシスと古代宇宙論』

以前、『グノーシス主義の思想』をこれから読むよー(http://d.hatena.ne.jp/nise-jukensei/20101009参照)と書きましたが、それはとうに終えておりまして、続いてさらに、柴田有・著『グノーシスと古代宇宙論』(勁草書房/1982)を読みました。 グノー…

発声・小説・その他

安部真弘・著『侵略!イカ娘』第7巻(秋田書店<少年チャンピオン・コミックス>/2010/asin:425321407X)を、イカ娘の地元・カナガワの書店チェーンである有隣堂で買えば、限定ポストカードが付いてくるというので、抑えがたいカナガワ愛を胸に、発売…

『侵略!イカ娘』試論

0. 冬が慰安の季節なら、俺には冬がこわいのだ。 (アルチュール・ランボー「別れ」より、小林秀雄訳*1) 1. さいわい僕は健全な青年なので、これまで触手なぞというジャンルとは無縁でいたのですが、しかし最近いろんな所で「ゲソ」だの「イカ」だの言…

泣きゲーで泣かなきゃいけない僕たちの不幸について

前回更新で、『生徒会役員共』がどうのとか書いた…というかむしろ、書かなかった翌日、自分のやっていた高校生徒会役員の仲間で集まって飲みました。 自分で言うのもなんですが、僕たちは同好会だった我が校のけいおんを部に昇格させるなどの華々しい活躍を…

なんだこの豪華メンバーは…!?

いま最相葉月・著『星新一 一〇〇一話をつくった人』上下巻(新潮社<新潮文庫>/2010/asin:410148225X、asin:4101482268)を読んで、SFという新しいモノを日本に根付かせようとした人々の活躍に身悶えするほど萌えているのですが、この本の中に星新一…