満員の教室

うちの大学の教官(という職名は、もう正式じゃないんだけど)が、こんな本を書いています。
野矢茂樹・著『無限論の教室』(講談社講談社現代新書>)


無限論の教室 (講談社現代新書)

無限論の教室 (講談社現代新書)


この本は、新書だけど物語仕立てです。
そして、こんな文章から始まります。

ぼくが大学で受けた中でもっとも不人気だった講義の話をしよう。
大学に入ったばかりの春から、その夏までのことだ。
まだ友だちもいないし、先輩もいなかったので、ひとりで漫然と授業案内を見て、まさかこんなに不人気だとは知らず、なんとなくその教室に向った。
最初、ぼくは教室をまちがえたか休講なのかと思った。
だけどよく見たら隅の方に女子学生が一人いた。
ぼくは彼女と反対側、窓際の隅に腰掛けて、先生が来るのを待った。

そして、たった2人しか学生のいない無限論の講義が、2人では広すぎる教室から、先生の研究室へと場所を変え、始まるのです。


今日は、その野矢教官の講義がありました。
相変わらず、立ち見の学生だけでも、2名を軽く超過していました。
研究室でやるなんてことはゼッタイありえない規模です。

そういえば、あとがきにこんな文章があります。

ここには、私の、ありもしない大学への郷愁がある。なかった過去への郷愁というのも変だが、こんな人たちが、こんなふうに授業をしている光景は、私にとって、手に入れる望みのない未来への感傷なのだ。

最近はこのブログで、みんな早く五月病になろうキャンペーンをはっているわけですが、今日は1週目に比べ、ちょっと減ったかな程度でした。
皆さん、もっといなくなりましょう。