滅亡のシナリオ

教祖の死刑が確定したのを機に、ちょっとオウム真理教に関連するお話を。


オウム真理教の思想に影響を与えたとして話題になり、復刊されたノストラダムス本があります。
川尻徹・著『滅亡のシナリオ』ISBN:4886414060)です。
なかなかイカれた本でありまして、ちなみに川尻さん(故人)の『ノストラダムス戦争黙示』『ノストラダムス複合解釈』(いずれも徳間書店)は第1回日本トンデモ本大賞受賞作。


『滅亡のシナリオ』は、もともと『週刊プレイボーイ』に連載されたものをまとめて、祥伝社のノンブック*1から1985年に出版された本です。
オウム思想との関わりを指摘されて話題になり、1995年にクレスト社から復刊。さらに、1999年に辰巳出版が文庫化しました。
僕が持っているのは、この文庫版です。


出版をプロデュースしたのは康芳夫という人。
その康さん、「復刻にあたって」という文章で、

本書は“麻原オウム”に決定的な影響を与えた一冊である。麻原彰晃は、本書でヒトラーイカれ、ハルマゲドンに取り憑かれたのである。

と書く一方で、

大犯罪の“教科書”となったという資料的価値だけではなく、著者の川尻氏の洞察力は天才的であり、本書は今も“文明批判の書”として光彩を放ちつづけているのである。

とも書いています。


出版する側として、この本を完全なるトンデモ本として見ているわけではないぞ、と言いたいんでしょう。


でも、僕はある時気付いてしまったのです。


この本のカバーは、本の内容に沿った様々なおどろおどろしい言葉が並ぶデザインとなっています。
「ハルマゲドン」「人類の存亡」「戦慄」「ノストラダムス計画」「回避不能」「隠蔽された真実」「ヒトラーの復活」…
しかし、そんな言葉に紛れて、すみっこの方にちっちゃく牽強付会という四字熟語があるのを発見してしまったのです。*2


牽強付会:こじつけてうまく説明すること。こじつけ。


『滅亡のシナリオ』の内容を言い表すためにあるようなコトバです(笑)


結局、出版する側の本音は、「この本に書いてあること?そんなもん、こじつけに決まってるじゃん!」なんだろうなあ…と思ってしまったのでした。

*1:五島勉ノストラダムスの大予言』シリーズもノンブックですね。『滅亡のシナリオ』ノンブック版には、五島勉さんの推薦文が寄せられています。

*2:実は、この四字熟語を発見しにくくするちょっとした仕掛けが施されているのですが、それがどういうものか僕の乏しい筆力では説明できそうにありません。ご自分で『滅亡のシナリオ』辰巳文庫版を入手して調べて下さいませ。