発掘捏造

発掘!あるある大事典2』(KTV)“納豆でやせる”発掘捏造の報を耳にし、僕はふたたび疑似科学に関する古典的名著『奇妙な論理』(M・ガードナー・著、市場泰男・訳、社会思想社<現代教養文庫>、1989、早川書房<ハヤカワ文庫>から2003年復刊)をひもといてみました。

一九世紀末以来、食物とそれが健康に及ぼす影響についての科学的理解がすばらしく進歩した。栄養の科学もほかの科学と同様、ゆっくりした足どりで、苦労しながら前進する。調査研究が企てられる。結果は会合や定期刊行物で報告される。多くの討論、再実験、チェックやダブルチェックがくり返される。不幸なことにこういう過程は、一般大衆の理解の及ばない専門的なレベルですすめられる。もちろんその一部は、ニュース報道、雑誌記事、良心的な普及化の仕事に努力する著者たちが書いた本などによって、一般人にも達する。けれども残念ながらこれらの声は、いかさま師やあぶく流行をつくる人々のもっと大きな声によって、かき消されてしまう。一つの真理または半真理をとり上げて、その重要性をすさまじく拡大し、ほかの真理をそのかげに追いやってしまうことは、いとも容易なのである。その結果、胸をわくわくさせるようなものが生まれることもあり、それは一つの宗派にとって格好の小道具ともなりうるが、事実とはほとんど無関係なので、万能薬になるよりはむしろ健康にとって脅威となる。
(『奇妙な論理』より)


そういや、あんま関係ないですけど、『発掘捏造』(毎日新聞旧石器遺跡取材班・著、新潮社<新潮文庫>、2003)も面白いです。


奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究 (ハヤカワ文庫NF)

奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究 (ハヤカワ文庫NF)

発掘捏造 (新潮文庫)

発掘捏造 (新潮文庫)