広がる越境電波

23日ですが、あけましておめでとうございます。
今年も書きたいときに少しずつ更新していくつもりです。
今日は1月21日付朝日新聞朝刊より。

広がる越境電波


東京メトロポリタンテレビジョン(MX)が2年後に完成する東京スカイツリーから電波を送る計画を立てたところ、近隣のローカル5局が「越境電波の範囲が広がる」と反対している。近隣局の電波も東京に届いているだけにMXも譲れず、首都圏ローカルテレビ局の話し合いは平行線をたどっている。(小堀龍之)


スカイツリー経由で範囲拡大
ローカルTV局対立


MXは現在、東京タワー(高さ333メートル)を使って地上デジタル放送の電波を送信している。しかし、昨年1月、同610メートルのスカイツリーの完成後、民放キー局やNHKと同じくスカイツリーに送信設備を移すことを決めた。スカイツリー側も昨年12月、MXと新タワーの利用予約契約を結んだと発表した。
これに反発しているのが、近隣のテレビ神奈川tvk)、テレビ埼玉千葉テレビ放送群馬テレビとちぎテレビ。背景には「スポンサーや視聴者がMXに流れ、営業に影響が出る」という懸念があり、5局は「越境電波の影響をこれまでと同じレベルにとどめてほしい」と計画の見直しをMXに求めている。
電波を県境で止めるのは難しく、東京タワーから発せられたMXの電波も県境を越えて飛ぶ。スカイツリーになれば、越境の範囲はさらに広がり、MXの当初案だと、新たに5県で計約100万世帯がMXを視聴可能になる。
しかし、MXが今まで通り東京タワーを使って電波を送信するとなると、増える高層ビルによる電波障害に対応するため中継局の整備で負担が増える。さらに、近隣局の電波も都内に飛び込んでいるだけに、MX側は「うちだけが侵犯しているわけではない」と主張している。
一方、tvk幹部は「こちらの越境電波もあるが、電波の到達エリアは(県域放送の)免許で決まっているという歴史的な背景がある」と反論する。放送を管轄する総務省を交えて会合も開かれたが、意見は一致していない。
ただ、越境電波が混信すれば番組が見られなくなる可能性もあり、総務省はMXに対策などを要請している。

tvk対MXの抗争が取りあげられましたね。
MXは1995年の開局。一方、「近隣のローカル5局」のうち、1999年開局のとちぎテレビを除く4局は、1979年までには開局しています。つまり、東京ローカル局は存在せず、近隣ローカル局だけある状況が長く続いたのです。そのため、特に神奈川・埼玉・千葉の3局は、越境電波が届く東京をも自らの市場として当て込んでいました。
その後、MXが開局したためどうなることかと思われたのですが、上記の事情により都内でも多くのUHF用アンテナが近県ローカル局の送信所に向けられていたうえ、社内の混乱もあってMXは大コケ。近隣ローカル局はひとまず胸をなで下ろしたのでした。
そして、地上波デジタル化に際し、近隣ローカル局対MXの第2ラウンド開始といったところでしょうか。
特に犬猿の仲と言われているのが、最初に「tvk対MXの抗争」と言い切った通り、tvkとMX。tvkは「東・名・阪ネット6」(全国の有力U局のうち、事実上MXのみを抜いたメンバーで構成されている)を立ち上げる際の旗振り役となるなど、目の上のタンコブ・MXを村八分にして、自らが独立U局の盟主になろうという野望を燃えあがらせています。
今回のタワー抗争も、あわよくばMX以外の関東U局を自らのもとにまとめる契機にしようという考えがあるんじゃないかと思ったり。


しかし、この新聞記事を読んだ多くの人は、こういう背景はおろか、そもそも独立U局の存在すら知らなかったりするんだろうなあ…。