in vain

またも胃腸を壊しまして、2日間お休みしました。いまは大丈夫…のはず。


きのうのレコメン!で発表されたのですが、水曜レギュラーの竹山さん、今春で「卒業」しちゃうそうです。番組に居座り出した04年5/6月当時からのリスナーとしては、寂しい限り。
あと、鶴岡八幡宮の大銀杏が倒れちゃいましたね。これもきのう、ハマランチョ内のニュースで見てびっくりしましたよ。寂しいことです。


とはいえ、今日の本題はまた別に用意しております。


あれは高校何年生のころだったか、Ajinさんに滝本竜彦・著『NHKにようこそ!』(角川書店<角川文庫>/2005)という本を貸してもらいました。もっとも、貸してもらったというより「布教」を受けたという方が正しいかもしれません。
本には、透明なビニカバがかけられていました。確かアニメイトで買うともらえるやつだったんじゃないかな?ビニカバは現代詩文庫にかかってるものというのが僕の認識なので、よく分からないのですが。
結局、Ajinさんから借りた本は後にも先にも、この1冊だけなんじゃないかと思います。


そんな調子で、あまり「教化」されそうにない僕だったのですが、ひきこもり小説である『NHKにようこそ!』は、借りたその日に一気に読んでしまいました。
人並みに鬱屈した青年だったからでしょう。


NHKにようこそ! (角川文庫)

NHKにようこそ! (角川文庫)


読んでみて、ひきこもりであるよりも、ひきこもりでいられなくなることの方が、当時の僕にとっては悲しいことでした。
むかし、このブログでも同じようなことを書いていて(http://d.hatena.ne.jp/nise-jukensei/20060926)、そこではセンター試験に出た小説をダシに語ってますが、確か『NHKにようこそ!』を多分に意識して書いたはず。
とはいえ、本自体はそのまま返して、それっきりにしていました。


ちょっと前、この本のことをふと思い出して、ブックオフの100円コーナーで見つけて買ってきました。
で、4年以上ぶりの再読。
…うーん、やっぱり昔とは読み方が変わりますねえ。


これは一種の「職業」病なんでしょうが、最近は何を読んでも、“2000年後にこの文章はどう読まれるんだろう?”と考えてしまうのです。
例えば、「彼女の笑顔が無駄に可愛かった」(37ページ)という文章に僕はひっかかりました。
“「無駄に可愛」いとはどういうことだ?”


たぶん2000年後にこれを読もうとすると、辞書を引かなきゃなりませんが、その辞書にはおそらく


「無駄に [muda-ni] (adv.) in vain」


とか書かれているので、それをもとにさらに皆でテキストや注釈書や文法書とにらめっこしながら、


“in vainにprettyとはどういうことだ? ”


と頭を抱え、“たとえprettyであっても「嘲笑」だから笑いかけられた主人公にとってin vainだ”とか、“「新興宗教愛好娘などという頭のおかしい人間」の笑いだからprettyであっても一般的見地からin vainだ”とか、まあそういう文脈に沿った判断をしなきゃならないでしょう。


なんて妄想をしているうちに時間はぐんぐん過ぎていきまして、“まあ、まず2000年後にはこの本読まれてないよなあ”とつまらん結論に達してin vainに終わるのでありました。